1998秋のG1レース反省記
長いですけど、ご一読を。


秋華賞(10/25)
春のG1レースに挑戦し、この「馬論」を開設以来1勝5敗の大惨敗を喫した春のG1レース。秋になれば各馬の力関係もはっきりしてくるし、上がり馬に注意しさえすればノープロブレムだぜ〜!と息巻いて、秋のG1レースに臨む。
第1弾は秋華賞。私の予想は桜花・オークスと本命にし続けてきたファレノプシス。もう意地である。巷ではエアデジャヴー本命説がインフルエンザのように流行したが、データでは2着はあっても1着にはなれないと、エアを対抗に落とした。あとはG1経験馬と夏の上がり馬を狙って7〜8点まで手を広げて予想した。
結果ははずれ。しかも、万馬券だ・・・。まあ、意地の本命馬ファレノプシスが勝ってくれたので、エア本命派には「ざまあみろ」と心でつぶやいたが(エアデジャヴー3着)、本命が勝っても相手を間違えた自分も「ざまあみろ」の仲間だった・・・。2着はナリタルナパーク。こいつはデータでは真っ先に消えた馬だった・・・。
しかし、あとで出馬表を見ると重大なことに気づいた。
2着に入ったナリタルナパークは、あのナリタブライアンと同じ「大久保正陽厩舎」「山路秀則オーナー」だったのである。1着のファレノプシスはナリタブライアンのいとこであるし・・・。つまりこの秋華賞は「ナリタブライアンの追悼レース」だったのだ!
あまりにも出来過ぎである。亡き名馬のいとこの牝馬が、2着にその名馬を手がけた人たちに縁のある現役馬を、穴馬として連れてくるとは・・・。それにブライアンズタイム産駒の1〜2着・・・。ブライアンよ、君は本当に凄い馬だったんだね・・・。
エアデジャヴーを本命にした人のために敗因を考えると、荒れた芝の内側を通らされてスタミナをロスしたことと、3〜4角で前がふさがったことだと考えられる。そのため2着馬のナリタをかわすことができなかった。ファレノプシスは武の好騎乗につきる。遅い流れを読みとり早めに動いたことだ。馬にも力があったのは言うまでもない。エリモエクセルはぶっつけG1とは酷である。エリザベス女王杯が本番らしいが、エアグルーヴやメジロドーベルがいる中で4歳では相手にしてもらえるかどうか・・・。
秋華賞の上位5着馬
1着ファレノプシス(武豊)
2着ナリタルナパーク(佐藤)
3着エアデジャヴー(横山典)
4着エガオヲミセテ(四位)
5着バプディスタ(岡部)
今週ははずれ。(印は司馬 駝人の予想)


天皇賞・秋(11/1)
天皇賞上位5着馬
1着オフサイドトラップ(柴田善)
2着ステイゴールド(蛯名)
3着サンライズフラッグ(安田康)
4着サイレントハンター(吉田)
5着メジロブライト(河内)
今週ははずれ。(印は司馬 駝人の予想)

 天皇賞は1番人気と逃げ馬は勝てない・・・。そのジンクスは思わぬ形で襲ってきた。サイレンススズカ4コーナー手前左前足の粉砕骨折という形で・・・。もう多くのHPやサイトで語り尽くされているのでここでは言うまい。ただ、彼の個性的な逃げっぷりと軽やかなフットワーク、そして茶色く輝く馬体を忘れることはないだろう。ここでサイレンススズカを追悼したページを紹介して、このスズカの件は終わりにしたい。そこで掲載されている追悼ページはすばらしい!ぜひご一読を・・・。
裕一のSUNDAY PROGRAMMERにてサイレンススズカ追悼ページ掲載中です。
 オフサイドトラップは8歳馬ながらG1勝利は立派だった。よく8歳になっても現役をあきらめなかったもんだ。悲劇があっても勝者は賞賛されるべきなのだ。関係者やスタッフの努力が実ったのだ。2着ステイゴールドはまたのG1レース2着これで3連続。JRA助演男優賞だ。なんかサンデーサイレンス産駒らしくないぞ〜。これはこれでオーナー孝行だな。第2のランニングフリーを目指してくれ。めざし複勝1番人気!(ナイスネイチャか?)。僕の好きなメジロブライト(5着)は有馬記念ではベストを尽くしてもらおう。2500mならいけると思うぞ!頑張れ!春天皇賞馬!!


菊花賞(11/8)
菊花賞上位5着馬
1着▲セイウンスカイ(横山典)
2着◎スペシャルウィーク(武豊)
3着△エモシオン(松永幹)
4着△メジロランバート(吉田)
5着○キングヘイロー(福永)
今週はヒット!(印は司馬 駝人の予想)
 
セイウンスカイのレコード勝ち。3.02.2。しかも逃げ切り。38年ぶりの逃げ切り勝ちとのこと。横山典が逃げ切ってG1レースを勝ってしまうとは思わなかった。とてもじゃないがメジロライアンに騎乗していたころの彼を思うと信じられないなあという気分。横山典騎手の成長をちょっぴり感じてしまうのであった。馬券は当たったものの、気合いを入れて本命を打ったスペシャルウィークがあっさり負けてしまったので喜びは半分くらいだ。しかも当たってマイナス・・・。武豊ついに運が尽きたか。でも私の運は上向きかも。印を打った馬がすべて上位5着に入ったので私の予想もまんざらでない。充分自慢できると思うね。ふふふ。
  その印を打った馬のなかで期待していたのが春シーズンから注目していたエモシオン。見事3着!今後に期待できる1頭だと思う。4歳秋からの本格化と言ってもいいだろう。天皇賞春を中心とした中長距離路線では楽しみにしたいと思う。特にダイヤモンドS(G3)に出走したら注目だ。ただ、中途半端なステイヤーになってしまうと、いまのJRAのレース体系では出られるレースがなくなってしまう危険性があるのでその辺が心配だが・・・。


エリザベス女王杯(11/15)
上位5着馬
1着メジロドーベル(吉田)
2着ランフォザドリーム(河内)
3着エアグルーヴ(横山典)
4着ナギサ(安田富)
5着エリモエクセル(的場)
今週ははずれ。(印は司馬 駝人の予想)

データ的にはメジロドーベルが満点だったのだが、エアグルーヴの年度代表馬のプライドに賭けた。それがかえってアダとなってしまったようだ。本当に自分は素直じゃないなあと反省する。予想に思い入れは不要だといわれるがまさにその通りだ。しかもドーベルは自分の好きなメジロライアン産駒だったのに・・・。とほほ。でもライアンの産駒がここまで大仕事をしてくれるとは思わなかった。馬券は外れちゃったけどうれしいです。
エリモエクセルの5着確保は立派だ。相手にならないと言い切ってしまったのは申し訳ない・・・。もし、直線で前がふさがれてなければと思うとぞっとするね・・・。ランフォザドリームはよくここまで来たなあと実感。やはりローカル路線とはいえども牡馬と戦ってきたことが彼女にとって大きな財産だったのだろう。それと牝馬の河内!うまい!!
あとはVTRを見てみたい。(忙しかったのでVTR見てないのよ)


マイルCS(11/22)
上位5着馬
1着タイキシャトル(岡部)
2着ビッグサンデー(高橋亮)
3着ヒロデクロス(吉田)
4着エイシンガイモン(藤田)
5着シンコウスプレンダ(横山典)
今週はヒット!(印は司馬 駝人の予想)

またも印を付けた馬が上位5着を占める。予想家としては満足。馬券も当たったし。くわしいことはVTRを見てからにしたいので、見たら書こうと思います。乞うご期待!
と、思っていたのだがVTRの録画に失敗していました・・・。
タイキシャトルの優勝5馬身差。モノが違う。海外帰りとは思えない仕上がりとレースだった。ふつうだとこうはいかないものだが藤沢調教師の手腕が素晴らしいとしか言いようがないだろう。ゲームでは海外帰りでG1レースに出走するとまず勝てないものなんだけどねぇ(^^;)。ヒロデクロスは直線ではさまったので2着があったかもしれないが、よく来てくれたと思う。中距離適性を充分に生かしての3着入線。キョウエイマーチはマウント新たに突っつかれた感じで脚を残せなかった。ロイヤルスズカの今後の巻き返しはあるのだろうか・・・。


ジャパンC(11/29)
上位5着馬
1着エルコンドルパサー(蛯名)
2着エアグルーヴ(横山典)
3着スペシャルウィーク(岡部)
4着チーフベアハート(サントス)
5着マックスジーン(アスムッセン)
今週はヒット!(印は司馬 駝人の予想)

エルコンドルパサーが2400mをここまで走るとは思わなかったというのが正直な感想。4歳の外国産馬が2冠馬のスペシャルウィークを破ったことで「日本ダービー」の外国産馬への開放が一部では叫ばれているらしい。最優秀4歳牡馬の行方はこれでわからなくなってきたかも・・・。エアグルーヴの2着には正直ほっとした。予想では自信を持っての◎としただけにうれしい。負けても力があることをはっきりと見せてくれた。もう充分だ。早く繁殖にあがってほしいです。ステイゴールドは今回は先行集団につけており展開では文句なかったのだけれど、直線ではいつもの伸びを見せてくれなかった。疲れなのか。カイタノもこの同じような形で敗れた。東京の直線はきびしいなぁ。
日本馬の1,2,3着はJC史上初めてのことだ。世界の競馬に追いつくところまでやってきたのだろうか。まあ、たしかに今年の外国馬はあまりレベルが高くなかったのは確かだけれども。このことは素直にほめよう。


阪神3歳牝馬S(12/6)
上位5着馬
1着スティンガー(横山典)
2着…エイシンレマーズ(幸)
3着ゴッドインチーフ(河内)
4着…スタートマーチ(四位)
5着ケイズエンジェル(植野)
今週ははずれ。(印は司馬 駝人の予想)

さすがは藤沢厩舎である。連闘で使ってしかも関西遠征させる・・・。それでG1を獲ってしまうのだ。前半46秒台の桜花賞を思わせるようなハイペースに見事にはまった。格が違う競馬だったと言える。桜花賞が楽しみだ。ヤネは岡部の元に戻るだろう。藤沢厩舎=社台(吉田照哉)=岡部のラインは強力だからだ。インタビューの横山典のコメントも「岡部さん、頑張ってください!」って言ってたし・・・。
ゴッドインチーフは進路をカットされる不利があっての3着。負けたがこの馬も強いだろう。あれがなければ2着は大いにあり得たのだが・・・。
コウエイロマンは残念だった。休養あけのG1であったこともあるだろうが展開的にかかる競馬をしてしまった。4歳以降の気性の成長に期待したい。だってスピードはあるのだから。サイレンススズカの牝馬版になってほしい!
やっぱ、今年も荒れた3歳牝馬G1。嫌いだね!100円ずつで遊んでおいてよかったよ。


朝日杯3歳S(12/13)
上位5着馬
1着○アドマイヤコジーン(ロバーツ)
2着◎エイシンキャメロン(武豊)
3着△バイオマスター(田中勝)
4着…マチカネキンノホシ(岡部)
5着…エイシンルバーン(熊沢)
今週はヒット!(印は司馬 駝人の予想)

終わってみれば、勝ったアドマイヤコジーン以外は上位はすべて出走した外国産馬が2〜6着を占めた。やはり、朝日杯3歳Sは外国産馬が大きく優位に立つレースとなったことは明らかである。しかもアドマイヤコジーンでさえ「持ち込み馬」だから事実上は外国産だし・・・。こういう状況を考えると朝日杯3歳Sは日本ダービーが外国産に開放されない限り、NHKマイルCとの関連が深くなると思われる。
アドマイヤは直線で鋭い反応で着差よりは強い内容だ。ただ1分35秒台の勝ちタイム気にくわない。皐月・ダービーには直結しそうもない。4歳クラシック路線に乗っかって活躍した馬たちは1分35秒を切っていたのである。これではちょっと・・・。むしろプラス12Kgながらしっかり2着に入ったエイシンキャメロンの方が期待できそうだが、勝ち馬のタイムがあれではどこまでやれるか・・・。ロサードはこれからの馬か・・・?それにしても「エイシン軍団」の外国産3歳馬は今年も強かった。


スプリンターズSはお休み。
有馬記念(12/27)
1着…グラスワンダー(的場)
2着◎メジロブライト(河内)
3着…ステイゴールド(熊沢)
4着○セイウンスカイ(横山典)
5着▲エアグルーヴ(武豊)
今週ははずれ。(印は司馬 駝人の予想)

有馬記念のファンファーレが鳴る。16頭がゲートに入る。「無事に走ってくれ、ナリブーもサイレンススズカも見ているぞ・・・」。スタートから私は涙を流していた。16頭が大舞台に立てて、無事に走れることが何よりなのだ。
終わってみれば有馬記念の基本概念はやはり「復活」であった。グラスワンダーは今年の秋で死んだかと思っていたが、今回の有馬で「復活」したのである。グラスワンダーよ。君を無印にして悪かった!本当に許してくれ・・・。さすがに的場。G1レースの「刺客」だ・・・。3歳チャンピオンは伊達ではなかった。エルコンドルパサーは今回の勝利をどう見ているのだろう。

私は今は彼女はいないが、競馬の彼女はエアグルーヴだった。スタート直後に落鉄したらしい。それがなければもっと好レースしただろう。しかし、もういいではないか。3歳から6歳まで牝馬の、いやG1中長距離路線で、いつもずーと第一線で活躍してきたじゃないか。それで充分だ。ありがとう。おつかれさま・・・。いい産駒をだしてください・・・。
メジロブライトよ、よくやったと思う。お父さんと同じ2着だったけど自分のレースに徹して後方からの競馬をした。僕の期待にこたえてくれたと信じています。99年のG1春G1路線は君のものだ!めざせ春天2連覇!
ステイゴールドは本当に立派だ!有馬でも大健闘の3着。重賞未勝利なのにG1レースでは2着、3着をとる馬はそうざらにはいないだろう。平成のランニングフリーは君だ!本当に長距離に強いのは彼なのかもしれない。
セイウンスカイは荒れた馬場に敗れたといえる。内馬場は相当荒れているので外目を回ることになったのも影響しているだろう。春天の京都はパンパンの馬場なので充分にやってくれそうだ。期待しよう。
今年のG1、終わってみれば4歳強し。そんな感あり・・・。


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